郊外は公共交通機関の路線も本数も少なく、車がないとかなり不便なのは周知の事実。娯楽施設やショッピング施設は車で行くことを前提とした場所につくられている。また、ナゴヤの喫茶店は大駐車場を完備しているところが多い。これにも車社会が顕著に関わっている。
ナゴヤ市内での自動車のビジネス通勤率は6割を超えており、東京や大阪に比べれば道幅も広いしスムーズだが、朝夕のビジネス通勤ラッシュになると市内各所で渋滞が激しく大幅に予定が狂ってしまう。そこでナゴヤの人々は渋滞を避け、朝早く出勤して来るビジネス・マンが多い。早めに出勤してきたビジネス・マンは会社近くの喫茶店でモーニング(※1)を食べる。喫茶店が車での移動の時間調整に使われるということはもちろん、朝の渋滞を避ける時間潰しにも使われるのである。
市内のビジネス中心部には環状に名古屋高速が走り、東名阪自動車道が半環状に市域を取り巻く。市東郊外の名東区に東名高速道路の名古屋インターチェンジを持ち、南部の港エリアには伊勢湾岸自動車道がある。その他、郊外にも名神高速道路・中央自動車道・東海北陸自動車道・知多半島道路などが接続しており、一般道を含め道路インフラの整備が大変進んだ地域とも言える。有料高速道路以外にも名四国道、西知多道路、名岐バイパスのような複数の高規格バイパスが存在し、一般道は碁盤の目のように片側3〜5車線の道路が走っているところが多い。
また、都心にある横幅が100m以上の通称「100メートル道路」(※2)も忘れてはならない道路。東京や大阪より車が多いと言われるにもかかわらず、道路がスムーズに流れているのは、このように卓越した道路網や道幅が広いお陰かも。しかし、一方でこれらの幅広い道路が、自動車に頼れない人には一種の交通障壁にもなっている。
地下鉄と市バスを経営する名古屋市交通局を中心に、鉄道はJR東海、名古屋鉄道、近畿日本鉄道の主要3社が乗り入れている。バス路線は市バスの他、名鉄グループの名鉄バス、近鉄グループの三重交通、ジェイアール東海バスなどが周辺区を中心に路線を運営している。代表的なターミナル駅としてはJR名古屋駅・名鉄名古屋駅・近鉄名古屋駅・栄駅・金山総合駅があり、鉄道、バス双方で多くの利用者数を誇る。市内の鉄道利用については、市内主要地域の大部分をカバーする地下鉄が圧倒的である。その他の鉄道3社は名古屋駅など市内中心部の主要駅と郊外都市との連絡が中心で、市内相互輸送については名鉄本線名古屋駅〜神宮前駅間、JR中央線名古屋駅〜大曽根駅間を除き、首都圏に比べ日常的な利用はさほど多くはない。さらに終電も早いのであまり便利とはいえない。
バス利用についても市バスが路線密度の高さから最も多くの利用者を集めているが、自家用車の攻勢や地下鉄との路線重複などもあり、大部分の路線が赤字である。このため名古屋市交通局は、ここ数年バス路線の再編成を短いサイクルで行っており、利用者数の少ない路線の廃止、本数削減などの措置が実施されている。また、自動車通勤の抑制を期待して2004年に開通した鉄道路線、西名古屋港線(あおなみ線)だが、運営する第三セクター名古屋臨海高速鉄道も当初の利用予測を大きく下回っており、苦しい経営が続いている。