台湾ラーメンを徹底解剖!

人気のお店「台湾ラーメン藤が丘」

名古屋が生んだ中国文化??

台湾ラーメン台湾ラーメンの発祥は、どうやらまぎれもなく名古屋市。 それも、今池に本店のある中国料理『味仙』で誕生したということで間違いはないらしい。 その製法と味のルーツは、「担仔麺(タンツゥミェン、台湾語でターアーミー)」と呼ばれる台南名物のようだ。 最初は賄い料理として作られたと言われている。 その後、名古屋人の好みに合わせて味付けを辛くするなどして商品化され、台湾人店主・郭明優さんが考案したことから『台湾ラーメン』と名付けられた。 ただ、本場台湾では四川風などの辛い麺料理はあるものの、同タイプの激辛ラーメンは存在しないと聞く。 地元では、台湾ラーメンといえば、皆一様に「味仙に決まっとる!」というほどに有名だし、観光客にあってはガイドにそう刷り込まれているため、こぞって味仙に行くのだが、他の店にも台湾ラーメンは存在する。 名古屋市内のラーメン専門店では、名古屋以外のご当地を冠した店は別にして、その殆どで台湾ラーメンにお目にかかることができる。 大学の学食や、大手企業の社員食堂ですら台湾ラーメンは定番商品として日常的に食べられている。

しかし、どうして、台湾ラーメンが名古屋の味として定着していったのであろうか? そこには、名古屋人たちの「濃い味」への執着があるとも言われている。 元々が味噌は八丁味噌、醤油はたまりと、濃い味を好む傾向にある名古屋人にとって、台湾ラーメンのハッキリと主張する濃い目の味付け、そして独特の辛味は受け入れ易いものだったのではないかというのが、諸説ある意見の中でも一般的だ。

台湾ラーメン大ヒットの側面と裏側

台湾ラーメンでは、これほどまでに台湾ラーメンが全国的にも知られるようになったのはなぜかというと、それには1980年代半ばの「激辛ブーム」が起爆剤となっているようだ。 当時を知る人ならわかるだろうが、カップラーメンをはじめとして、何から何までが辛すぎるほどに辛い味付けになり、いったい日本の食文化はどうなってしまうのかと心配になるほどだった。 そんな激辛ブームも一時の盛り上がりはないものの、それにより日本人は案外辛いもの好きが多いということが判明した実に大きなムーブメントだったと言えるかも知れない。 下からブームを支えたのは、バブル経済だけではなく、実は「ダイエットブーム」の力でもあり、クローズアップされたカプサイシンの効果が大きく牽引していて、その頃からダイエット&健康関連のサプリや健康器具が売り上げを大きく伸ばしているのも注目する点だ。 このように、単なるブームと捉えてしまうと見過ごしてしまうビジネスデータも、観点を広域・広角に向けることで実に有益なものとなる例は多い。

今回は元祖ではなく人気のお店へ

味仙看板 台湾ラーメンの一般的なレシピとしては、鶏がら・醤油ベースのラーメンに、ひき肉(肉味噌)とニラがたっぷりとのったもので、上の具材を混ぜ込むほどに辛さは増すので、自分でも若干の辛さ調整ができるのが特徴だ。 味つけはそれほど違わないが、辛さだけは店によって違い、辛すぎるほど辛いところもある。 元祖である味仙はかなり辛い部類に入る。 そのため、「アメリカン」なる辛さ控えめな台湾ラーメンの注文方法も存在し、当の味仙ではメニューにも堂々と「アメリカン」と書かれているほどだ。

店内の様子さて、実食はどこにしようかと考えたが、味仙はどんなガイドブックにも載っているので、地元の人々が「おいしい」と薦めてくれる店に行ってみることにした。 名東区・藤が丘にある「台湾ラーメン藤が丘」は、地元名古屋人だけでなく、東京・大阪をはじめ全国に多くのファンを持つお店として有名だ。 昼は近所のサラリーマンたちの空腹を満たし、午後には学生さん、夜はお酒を飲んだ後のシメの一品として、実に幅広い層に愛されているのである。

食べ方「台湾ラーメン藤が丘」の台湾ラーメンは、鶏がらと野菜のスープに、中太ストレートの玉子麺、そこに細もやしが乗り、ニラと粗挽きの肉味噌がたっぷりとのっている。 「初めての方は、ピリ辛ジャン(肉味噌)をくずす前に澄んだスープを飲んでほしい」とは店主談。 そう、ここのスープは辛くないのだ。 ミンチ肉を少しずつ崩していくことで、スパイシーな刺激とスープのコクのマッチングを味わいつつ、好みの味つけで食べるわけだ。 初めはアッサリ、途中からピリリと辛さが染み渡る、まさに「一杯で二度おいしい」のが特長。 なるほど。 辛さはピリ辛ジャンを少量にすることで調節できる。 注文時に「辛さはどうしますか?」と必ず聞いてくれるのでご安心を。 しかし、調査隊一行は、目の前の台湾ラーメンに興奮してしまい、最初からミンチ肉を崩してしまい、最初からまずまずの辛さのものを食べ続けることに。

替え玉 そして、ランチタイムには、「替え玉」が可能なのもこの店の売り。 当然のように替え玉をもらう。 この時点で、すでに額と首筋からは大量の汗が! (昨夜飲み過ぎたせいか…) しかし、替え玉が入り、我々は失敗したことに気づいた。 替え玉をすると、その分だけどうしても少しだけスープが薄まってしまうのだ。 教訓! 最初から替え玉をするつもりなら、ミンチ肉は少しだけでも溶かさずに残しておくこと! これは絶対に大きなポイントになる。 せっかくの辛さとうま味が替え玉の後に半減してしまうからだ

餃子しかし、意外に(と言っては失礼だが)おいしかったのが餃子!
にんにくが入っていないので、ビジネスの人にも優しい。 決して辛過ぎることのない台湾ラーメンもそうだが、そうしたところからも「おいしいと思ってもらえるものを出す」という店主の姿勢が伝わってくるのだ。

■それぞれの得意分野で共存するのが名古屋流。

同じ食材や料理であっても、「うちの味はコレだ!」と剛速球一本で攻める味仙があり、片や藤ヶ丘ラーメンは「お客様のお好きな味で」と柔軟な変化球を繰り出す。 お客さんに対するサービス精神に変わりはないが、それぞれの得意分野で勝負している両店の手法は勉強になる。 藤ヶ丘ラーメンも、味仙も、さすがにランチタイムは混み合うが、回転が早いのでそれほど待つことはない。 元祖との食べ比べも楽しいだろう。 辛いものが端から苦手でなければ、ぜひ一度は試してほしい名古屋メシのひとつだ。